Q&Aコーナー


本文へジャンプ


 目次    

 

Q 1  3歳になってもことばがでない。2歳10ヶ月でことばがハッキリしない。

Q 2  日本脳炎の予防接種を受けさせようと思っていますが....。

Q 3  乳幼児の血管腫(赤アザ)について。

Q 4  子どものアレルギー(気管支喘息)。

Q 5  水イボができているのですが....。

Q 6  となりの5歳の坊やが夏かぜで髄膜炎をおこして入院しました。

Q 7  最近どもる(吃音)ようになりました。

Q 8  最近おしっこの回数が多いので少し悩んでいます。

Q 9  保育園に通うようになってかぜを引きやすく、瞬きもするようにな りました。

Q10  乳幼児の耳垢はどうしたよいでしょうか。

Q11  生後1ヶ月になりますが、初めて「外気浴」として外出しました。ところが2、3日前から急激に顔全体に発疹の症状が現れました。

Q12  おちんちんについて教えてください。

Q13  風邪をひいたりすると、中耳炎や外耳炎になったりするときがありますが、これらを予防する方法はありますか?

 


  Question & Answer

 

Q1

@ 3歳0か月の男の子です。体の発育は良好なのですが、ことばが出ません。出ることばは「イヤ」「パパ」「ア〜〜」のような感じです。

A 現在2歳10か月の女の子です。発音がわるくて、寒い(さむい)→はむい、食べる(たべる)→はべる、などのようになります。このまま様子をみていいでしょうか。

 

A: ことばの発達は乳児期の喃語から始まり、1歳6か月ごろに簡単な発語(パパ、ママ、マンマ、ワンワン、ブーブーなど)が見られることが多いようです。そのころには簡単な指示(「ゴミ箱、ポイして」「コップもってきて」「パパに、ハイしてちょうだい」など)がわかります。また、知っていいるものや、興味のあるものを見つけると声をだしながらなんども指さしをします。2歳ごろには2語文(「ワンワンきた」「あっち、いく」など)を話すようになります。3歳では名前や年齢がいえ、3語文以上で会話もできるようになります。

 言語発達の境界としては、1歳6か月ごろに指さしでの表現や簡単な指示などの言語理解が見られれば 、はっきりとした発語がなくても経過を観察してもよいでしょう。2才頃までに日常生活に支障のない程度の言語理解と発語があれば、もう少し経過観察します。3歳までに2語文がでるようになれば3〜6か月毎に観察して、発達を評価していきます。 これよりも遅い場合には、専門家の総合的な診察を受ける必要があります。広汎性発達障害などの発達の問題があることがあります。北九州市では市立総合療育センターに充実したスタッフ陣がそろっています。@の坊やの場合、専門家に相談するほうがよいと思います。はじめに各区でおこなわれている「わいわい子育て相談」に行ってみると相談しやすいかも知れません。

 Aは、構音の問題ですが、まだ2〜3歳では、サ行→タ行(3さい→たんたい、など)、カ行→タ行(さかな→さたな、など)、タ行→ハ行(Aのよう)など、不明瞭なことはしばしば見うけます。 4〜5歳ごろまでは観察してよいと思います。

 
先頭に戻る

 


 

Q23歳と1歳の男の子の母です。今年3歳の子に日本脳炎の予防接種を受けさせようと思っていますが、1歳の子も受けてよいでしょうか?母子手帳には3歳からと記されていますが(母子手帳によっては6か月からできると書いてあるものもあるようですが)、3歳の子よりも1歳の子の方が蚊に刺されることが多いような気もします。3歳以下だと日本脳炎になりにくいのでしょうか?

 

A:予防接種についてのご質問ですが、まず簡単に予防接種の説明をしましょう(配布されている「予防接種と子どもの健康」を参照)。予防接種には定期接種と任意接種があります。定期接種は予防接種法(ポリオ、DPT、麻しん、風しん、日本脳炎)と結核予防法(BCG)で勧奨されているものですが、接種年齢がありその年齢以外は任意接種扱いとなります。平成7年に、個別接種化や接種年齢幅の拡大や医学的根拠のない接種後の入浴禁止事項の削除などの予防接種法の改正が行われました。また、使用するワクチンは生ワクチン(ポリオ、麻しん、風しん、BCG)と不活化ワクチン(DPT、日本脳炎)に分けられます。

 おたずねの日本脳炎の予防接種ですが、接種年齢は6か月〜7歳6か月未満、9歳〜12歳、14歳〜15歳です。予防接種法改正前は3歳からの集団接種が原則でした。1歳の子どもさんに接種することは問題ありません。不活化ワクチンなので病原性(ワクチンの為に日本脳炎になること)もありません。日本脳炎はご存じのようにウイルスによる病気で、感染コガタアカイエカに吸血されたときに感染します。蚊→豚→蚊→ヒトの経路です。豚の存在で感染コガタアカイエカが増加します。子どもの発症は5歳以下の頻度が高いようですが、感染した子どもの数千人に一人しか発症しません。3歳以下が日本脳炎になりにくいとはいえません。

 
先頭に戻る

 


 

Q3. 現在1歳8か月の男の子です。生まれつきおへその上のほうにいちご状血管腫があり、「これ以上小さくも大きくもなりません。」と小児科の先生からいわれました。早めにレーザー治療をした方がよいか、それともそのままでいくか悩んでいます。

 

A:乳幼児の血管腫(赤アザ)についての質問です。生まれてしばらくして気づかれますが、大きくわけて @ サーモンパッチ・ウンナ母斑、 A 単純性血管腫、 B 苺状血管腫、 C 海綿状血管腫があります。

@ サーモンパッチ・ウンナ母斑は赤ちゃんの顔の正中部(額、鼻の下など)、項部(首の後ろ)にできます。ほとんど1〜6歳で消失します。

A 単純性血管腫は@と同様に隆起しない赤アザです。これは残念ながら消失しません。できる部位はさまざまです。

B 苺状血管腫は乳児の1%にみられます。「未熟な毛細血管内皮細胞の良性増殖による、限局性の血管形成異常」(とてもむつかしそう?)です。隆起あり。ほとんどが5〜6歳までに消失しますが、まれに消失しないこともあるので、そのころまで経過をみて治療を考えます。

C 海綿状血管腫は皮下にでき、やや隆起して表面が青黒い(赤アザにはみえない)。自然には消失しません。ご質問の血管腫が苺状血管腫だけであれば、経過をみてよいと思います。しかし、時々、@+Aの混合型の血管腫をみることもあります。

 
先頭に戻る

 


 

Q4. 3歳6か月の男の子(次男)ですが、乳児期から手足耳がただれたり、季節の変わり目に鼻水や咳が出始めるとすぐに息づかいがバリバリやヒューヒューになって、吸入に駆け込んでいました。3歳の血液検査で、IgE ダニ 93、ホコリ 100、ネコのふけ 3.3(ネコは飼ってません)とでました。掃除に頼るには限界があるということで、今は抗アレルギー剤(ザジテン)を毎日飲んでいます。この薬は、どのくらいの期間をメドに飲むのでしょうか。季節の変わり目だけに飲むのでは効果はないでしょうか。また、何年も飲んで止めたあとはどうなるのでしょうか。それと、なるべく薬に頼らず過ごすには日常生活でどんなことに気をつければよいでしょうか。

 

A:子どものアレルギーは、@アトピー性皮膚炎に代表される皮膚の問題、A喘息、鼻炎などの呼吸器の問題が多いのですが、その原因としては、食物、ほこり、ダニ、植物(花粉)、動物(毛、フケ)などがあります。どうしてアレルギーを起こすかというと、残念ながらアレルギーを起こす子どもは、遺伝的にその性質を生まれながらに持っているようです。しかし、食物摂取や環境の影響もかなり大きいようです。下のようなことが考えられます。

      アレルギー(疾病にいたる体に有害な免疫反応)

                 ‖ 

                           体質
  
(遺伝的素因、敏感な自律神経の作用、敏感になっている免疫反応)

               

         感作する原因物質の程度

  また、アレルギーマーチを呼ばれる、湿疹・アトピー性皮膚炎 → ゼロゼロの多い赤ちゃん・喘息様気管支炎・小児喘息 → アレルギー性鼻炎・花粉症と症状がフルコースに進んで行く子どももいることが知られるようになってきました。では、どうしたらアレルギーを軽くできるでしょうか。まず、遺伝的素因は仕方ないので家系に文句を言ってストレスにしないようにする(おじいちゃんおばあちゃんのせいにしてストレスをしょい込まない)。過敏な自律神経の作用を緩和するには、規則正しい生活とくよくよ悩まずストレスのたまらない生活、運動と持久力の養成をする。敏感になっている免疫反応を静めるには、原因となるものをはっきりさせ、それを遠ざけ、十分な時間をとる(火の付いたものを消火し、くすぶらないように常に気をつけておく)。感作する原因物質については、生活の記録の中から見当をつけ、血液検査や誘発試験で確定する。小児科でアレルギーのお薬をしばしば処方しますが、敏感になっている免疫反応を静めるためで、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤やステロイド外用薬などを使います。総論はこれくらいにして、質問にお答えしましょう。

 お子さんの症状はやはり気管支喘息と思われます。気管支喘息は人口の5〜7%に起こります。子どもの場合(小児喘息といわれている)の主原因はアレルギーです。喘息の問題は、呼吸困難の程度(大発作〜小発作)、頻度の程度(毎日、年に何回か、季節性、かぜの時だけなど)で対応がちがいます。大発作(息ができない、入院が必要)が頻繁に起こるようでしたら生命にかかわりますので、きっちりとした治療(継続的な)でコントロールしていきます。その場合でも、発作を起こさせないようにコントロール(火の付いたものを消火し、くすぶらないように常に気をつけておく)していくと、徐々に治療を軽くしていっても発作が起こらなくなってくることが分かってきました。症状が軽い場合は対症療法で様子をみていってもよいことも多いようです。子どもの気管支喘息(小児喘息)は70〜80%は寛解(起こらなくなる)といわれています。寛解は思春期前までに訪れるようです。さて、質問の抗アレルギー剤(ザジテン)ですが、これはよく体質改善の薬といわれていることが多いようですが、遺伝的アレルギー素因が改善するわけではなく、やはり対症療法薬(発作を起こりにくくする)です。しかし、1〜2年続けて発作をうまくコントロールすると寛解にもっていくことできることも多いようです。しかし、寛解は絶対的なものではなく、何かのきっかけで再び発作が起こりだすこともあります。

 
先頭に戻る

 


 

Q5. 3歳3か月の男の子なんですが、体のあちこちに水イボができているのですが、お兄ちゃんのときはできるとすぐに皮膚科へ行って取ってもらいました。直接ピンセットのようなものでつまんで取るのでとても痛そうで、かわいそうでした(おチンチンなどにもできていたので)。無理に取らなくてもよいと聞いたのですがどうなのでしょうか?取らないときの家庭での処置はどうしたらいいのでしょうか?何カ所か掻き破っているところもあります。

 

A: 水イボ(下の写真のようなもの)は伝染性軟属種といいます。原因は皮膚(表皮)のウイルス感染(伝染性軟属種ウイルス)です。おっしゃるように最近では取る必要はないというのが一般的なコンセンサスになってきています。取らなくてもウイルスに対する免疫ができてくれば自然治癒するので放っておこうという小児科医が多いようです。しかし、自然治癒までに数カ月〜2年くらいかかるので、それまで掻きむしって化膿したり(トビヒになったり)しないように清潔に扱う必要があります。家庭での対処ですが、掻き破ったところは消毒用イソジン液(市販されている)などで化膿しないように消毒をしたらよいでしょう。消毒用イソジン液はウイルスをやっつける作用もあるので、掻き壊してないところもお風呂あがりなどの皮膚の軟化しているときに「治れ!治れ!」と綿棒につけて塗ると早く治るかも知れません。

 

 
先頭に戻る

 


 

Q6.となりの5歳の坊やが夏かぜで髄膜炎をおこして入院したそうです。うちにも同じ年齢の女の子がいますので心配です。

 

A: 夏かぜのウイルスによっては脳脊髄膜炎や神経炎を起こしやすいので注意が必要です。夏かぜのウイルスに感染するとかなり強い免疫ができますので、おとな(既に感染したことのある)にはあまりうつりませんが、幼児〜学童では流行します。

代表的な夏かぜのウイルスには、@コクサキーウイルス(ヘルパンギーナ、手足口病、はっきりしない発疹症などを起こす、脳脊髄膜炎おこす可能性あり)、Aエンテロウイルス(手足口病、はっきりしない発疹症、下痢症、結膜炎などを起こす、脳脊髄膜炎おこす可能性あり)、Bアデノウイルス(プール熱、結膜炎、下痢症、気管支炎、肺炎などを起こす)Cエコーウイルス(はっきりしない発疹症などを起こす、脳脊髄膜炎おこす可能性あり)があり、たくさんのタイプ(例えばコクサキーウイルスA16型とか、これは手足口病を起こします)に分類され、それぞれの型によって症状が異なります。ポリオウイルスも夏かぜの仲間ですが、今は流行することは無いようです。

 一般に夏かぜは高熱がでやすく、咳などの呼吸器症状は強くならないことが多いようです。脳脊髄膜炎を起こしたときには、@続く高熱、A強い頭痛、B嘔吐があり、見分けるポイントとして項部硬直(首がかたくなり前に屈曲しなくなる)が参考になります。確定診断には腰椎穿刺(せぼねに針を刺して髄液を取る)をして髄液検査する必要があります。入院が必要ですが、夏かぜによる脳脊髄膜炎は1〜2週間で治癒しますし、生命的危険性や後遺症の心配があまり無いのが不幸中の幸いです。夏かぜやそれによる脳脊髄膜炎を予防する決め手はありませんので、疲れ過ぎないように、体力を消耗しないようにすることが大切です。(消耗すると非特異的免疫能が低下する)

 
先頭に戻る

 


 

Q7.2歳10か月の男の子と小学2年の男の子の母親です。2歳10か月の男の子についてですが、最近少し吃るようになりました。2歳半頃から言葉がよく出るようになり、2歳7か月にはすごいおしゃべり小僧になっていました。そのころは別段変わったところはなかったのですが、1か月ほど前から言葉の初めが出にくくなり、ひどいときには「おかあさん」をいうのに「お」を10回位連発することもあります。その頃からおしゃべりが少し減りました(それでも、よくしゃべるほうですが...)。性格としてはじっとしてないタイプ(落ち着きがない、いつも動き回っている)です。そういうことも関係しているのでしょうか。お兄ちゃんの方も幼い頃からおしゃべりでしたが、吃るようなことはありませんでした。親としては特別心配はしてませんが、祖父母がとても気にしているので相談しました。

 

A: 吃音(どもり)は、しゃべるのに関連した筋肉群のケイレン様の緊張による会話のリズムの障害で、しゃべるときに語音をくり返したり、つまったりして言葉の流暢さが損なわれた状態をいいます。幼児の約3〜5%にみられ、男女比は4:1で男の子に多いといわれています。また、吃音の多くは2〜5歳におこり始め、60%くらいに家族歴があるともいわれています。幼児期の吃音は一時的なものがほとんどで、それは生理的吃音と呼ばれ6か月〜2年位で治っていくようです。吃音があっても、小学校低学年位までは本人は気にせずしゃべっていることが多いようですが、周りからの注目(口元を見られる)や家族からの指摘や注意などの心理的ストレスが加わり、それを本人が意識するようになると、本格的な吃音になっていくこともあります。

 幼児期の注意点としては、@自然に治ることがほとんどなので、家族が気にしたり、深刻に思ったりしない、A子どもに意識させないように今までどおりに接して、普通に会話をする、B周りの者が早口でしゃべったり、早く返事を求めたりしない、C余裕をもって最後まで聞いてあげるようにする(そのときに口元を見つめない)、Dまねをしたり、しかったり、言い直しを強制したりしない、E左利きを無理に矯正する時、大好きなおばあちゃんが亡くなった時、激しい夫婦ゲンカを目撃した時などに、突然始まることがあるといわれているので、ストレスやショックに注意する、などです。おそらくこの坊やも上のようなことを気をつけていれば、そのうちに治ってくると思われます。

 
先頭に戻る

 


 

Q8.5歳の娘の事でご相談があります。最近おしっこの件で少し悩んでいます。おしっこの回数が多いというか、膀胱炎を疑って病院に連れて行きましたが、結果は神経性のものだとの事です。(病名はよくわかりませんが) おしっこの検査結果も正常でした。何らかのストレスや環境の変化が引き金になっておしっこがやたら気になってトイレに行きたがると病院の先生から説明を受けました。実際、何かに集中しているときはぜんぜんトイレには行かないのですが、いったん気になりだすとかなりの回数行っているのが現状です。思い出すと、最近2回ほど自宅でトイレに間に合わなかったことがあって2回目のときに、”ギリギリまで我慢するから間に合わない”と注意口調で言ったことがあってそれが直接の原因なのかなと考えています。病院の先生からは、時間が解決するから本人の行きたいときに行かせておいて焦らさないようにとの指導を受けました。1週間ほどで改善するとの説明でしたがまだ治る気配がなく、最近は「起きてるときでもおしっこ漏れてもいいの?」と不安顔で聞いてきます。とりあえず今は「いいよ」と返答し、安心感を与えるようにと考えていますが本当はどのように対応すればよいのでしょうか?

 

A: お嬢さんは幼稚園児でしょうか。 5歳くらいの子どもさんが同様の訴えで、膀胱炎などの尿路感染症を心配されて外来にこられることはたびたびあります。 幼稚園児に多いように思いますが、心配ありません。 おそらく文面から神経性頻尿もしくは心因性頻尿と呼ばれているものと 思われます。対処の方法はお嬢さんのおしっこに無関心になることです。 何回おしっこに行こうとおもらしをしようと、大丈夫だよといつも通りに 接することです。家族が心配しているそぶりを見せると長引くことが あるかもしれません。必ず治ります。

 
先頭に戻る

 


 

Q9. 3歳の男の子の健康のことで、相談にのっていただければと、メールしました。 現在、保育園に通い始めて、6ヶ月になりますが、必ず月に1回風邪を引き、2週間 やすみます。 必ず、最初に鼻がつまり、咳がでて、夜、喘息のようにゼーゼーやります。 風邪をひんぱんにひくこと、それから2週間治らないということは、普通のことなのでしょうか。 それから、どうも母親である私が油断していると風邪をひくような気がします。 そういうことはありますか? また、風邪をひかせないようにする、なにかポイントはありますか? ほかに、最近、瞬きをひんぱんにします。(ここ1〜2週間) 目の病気なのかと心配ですが、なにか考えられることがありますか? すぐ に眼科に行ったほうがよいのでしょうか?

 

A: 坊やが保育園に入ってから風邪ひきばかりでご心配ですね。しかし、あまり心配する必要はないと思います。保育園に通い始めのころは繰り返し風邪をひき保育園に通っているのか病院に通っているのかわからない(少しおおげさですが‥)ようなお子さんをしばしば経験します。けれども免疫の異常や特別な疾病はまずありません。風邪のウイルスはたくさんあるので、少しずつ風邪をひいていろいろな免疫をつけていくと考えてはどうでしょうか。ただ、咳がでると、夜に喘鳴(ゼーゼー)が必ず(?)あるということですので、気管が弱い(過敏性やアレルギー)かもしれません。あまりゼーゼーいうときはかかりつけ小児科医に相談してみてください。それから続けて風邪を引かないようにするには予防も大切です。かぜの流行っている時期は人混みにいかない。うがいや手洗いをする。(できたら)なんでも食べて体力をつける。一般的な事ですが試してみてください。

 次に瞬きのことですが、@くせのたぐい、Aチック、B目の問題などが考えられます。@とAは似ていますが、Aは緊張したときに目立ちます、リラックスしているときにも変わりなく見られるようだったら@かもしれません。 保育園に入ってからですので精神的に不安定になっているのかもしれませんね。あまり目立つようだったら、一度かかりつけの小児科の先生に相談されてはいかがでしょうか。また、Bについては、目の状態を観察してください。目は赤くないですか?(充血)目やにはないですか?涙はいつもにくらべてどうでしょうか?1〜2週間経過を見ておられるのならそう心配はないかもしれませんが、目の問題のようだったら眼科の先生に相談してみてください。

 
先頭に戻る

 


 

Q10.“乳幼児の耳アカは取らない方が良い。” と聞きますが、耳の掃除は不必要なのでしょうか? 取らずにいて奥の方で固まったようになり、幼稚園の健診で注意を受けました。どうすればいいでしょうか? また、乳児などは綿棒を使った掃除をした方がよいのでしょうか?

 

A:  まず、耳アカですが、乾燥したもの(ポロポロ、サカサカ)と湿ったもの(いわゆる“じゅるみみ”)があります。それぞれのケアの仕方は多少違います。また、外耳道(耳のあな)の大きさ曲がり方や耳の掃除が好きな子・嫌いな子でも違います。これが絶対と云うようなものはありませんが、無理をしないことです。
 乾燥した耳アカは何もせずそっとしておけば少しずつ外に向かってタケノコのように出てくる性質のものです。かゆみや違和感がなく不潔になっていなければ、見える範囲・取れる範囲で耳かきや綿棒で取ってあげるとよいでしょう。無理をすると外耳道を傷つけて外耳炎(かなり痛い)の原因になります。お風呂上がりなど耳アカが柔らかになったところに綿棒を奥までいれると返って耳アカを押し込んで奥の方で硬く固まることになります。嫌がらなければ定期的(年2〜4回)に耳鼻科で取ってもらう方法もあります。
湿った耳アカは基本的には耳のなかで固まりません。(時にはお味噌のような耳アカをみることがありますが)これも見える範囲で取ればよいと思います。
 絶対的なことではありませんが、@外耳道“耳のあな”が不潔にならないようにする(乳児でオッパイをはいて耳に入ることもあるので、傷つけないように無理をしないようにある程度の掃除は必要)A耳アカが原因で中耳炎になることはないが、不潔になれば外耳炎の原因になることがあるので、かゆみや違和感があり触るときは点検をして見える範囲・取れる範囲で無理のない掃除をする(アトピーの子などはかゆくなりやすいが、耳介“耳たぶ”のかゆみと混同しないこと、時に耳に異物を詰め込む幼児もいる)でよいと考えています。

 
先頭に戻る

 


 

Q11.生後1ヶ月になりますが、初めて「外気浴」として外出しました。ところが2、3日前から急激に顔全体に発疹の症状が現れました。

 

A:  生後1ヶ月の赤ちゃんに外気浴での直射日光は禁物です。まず、部屋の中で窓越しに下半身から短時間のひなたぼっこです。皮膚が赤くなるときはそれより短時間にするほうがよいでしょう。
さて、ご質問ですが、顔の皮膚の様子は、皮膚炎をおこして いると思います。
顔の皮膚は敏感なところですので注意が必要です。原因はさまざまですが、外気浴のあとからですので、紫外線や乾燥した空気の影響が考えられます。ほかには、乳児湿疹、繊維などでの接触性皮膚炎も考えられます。ふつう1ヶ月ではアトピー性皮膚炎は ほとんどありません。
そのまま、清潔にして様子を見れば自然に治ってくると思いますが、2〜3日みても赤く腫れていれば、小児科もしくは皮膚科の受診をお勧めします。

 
先頭に戻る

 


 

Q12.前からずっと疑問だったおちんちんについて教えてください。2歳の男の子ですが、おちんちんがぜんぜんむけてなく、以前、本で見た真性包茎というのにとてもよく似ています。今のところ炎症など起こしているわけでもないのですが、このままにしておいてもよいものでしょうか?一度病院で診てもらったほうがよいでしょうか?(手術などの必要はあるのでしょうか?)

 

A:  日本では割礼の習慣がないので、男の子のおちんちんは思春期頃までは包茎が普通です。多少の個人差はありますが、生理的に思春期以降はおちんちんが発達し、ホルモンの影響で包皮先端が伸展して亀頭部が露出するようになります。真性包茎とは生殖年齢になっても亀頭部が露出せず、いざというときに痛みを伴うようなものをいいます。

                       A                                                B    

                                 

 写真のようなおちんちんでも生理的に思春期には改善する可能性があります。写真Bのようであればまず心配ありません。あまり早くから包皮をむこうとすると包皮に裂傷を起こしかえって伸展が悪くなることもあります。写真のような場合、オムツが取れてから、お風呂上りにステロイド軟こうをつけて少しずつ包皮を下げるようにするとよいでしょう。(最近、この保存療法を進める向きがあります)

 
先頭に戻る

 


 

 

Q13. 風邪をひいたりすると、中耳炎や外耳炎になったりするときがありますが、これらを予防する方法はありますか?

 

A: の図のように中耳は耳管で後鼻腔と交通しています。

乳幼児では  @耳管が短い A耳管の角度が水平に近いなどのため、上気道炎で中耳に炎症が波及したり、感染が広がりやすいと考えられています。しかし、一般にカゼでは外耳炎は起こしません。
 中耳炎には化膿性中耳炎(強い痛みと発熱がある)と 滲出性中耳炎(痛みは軽度で発熱しないことも多い)があります。どちらもカゼに伴うことがありますが、滲出性中耳炎のほうが多いようです。
これらの中耳炎の予防は、残念ながら確実なものはありません。しかし、中耳炎をおこしやすい乳幼児がいることは分かっていますので、そのときはカゼ症状が長引いたり、繰り返したりしないようになるべく安静にするように指導し、普通より早めに長めに抗生物質を投与することがあります。鼻水が止まりにくかったり、ゼイゼイいう児やアレルギーのある児は起こしやすいようです。

普通3〜4歳になるとカゼひきの回数が少なくなるので繰り返し中耳炎になる児は少なくなります。

  

  先頭に戻る